Tips

1つの大きな黒い塊があった。

それはやや(うごめ)くと

人の群れだと分かった。


「見てみろよ。みんな笑ってるだろう。

大往生だ。」

隣に立っていた同僚が言った。


爺さんは85歳で死んだ。

肝臓だった。

かなりの酒好きでそれが祟ったらしい。


俺はその葬列を横目でみながら

何故か葉山椒が乗った冷奴の味

思い出していた。


それらはとても近くて

最後なんてものは

まだ遠い先の事のように思えた。

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